ひとりごとの減らない真昼
ベンジャミンと共に#名前2#はソコヴィアの人の避難を促していた。テレビの回線、ネット回線、無線LANに忍び込みサブリミナルメッセージを送り続けた。 『避難しなさい。ここは戦場だ』 移動させた面々はフューリーの計らいにより安全な場所へと移動させる。ソコヴィアをウルトロンが決戦場に選ぶ確率は6割を超えないほどだった。アベンジャーズタワーや、地球の真ん中を選ぶかもしれないと思ったこともある。 オスロはネットの中央地だったし、その可能性もぬぐえなかったが#名前2#はソコヴィアを選んだ。 ヴィヴラニウムの反応をベンジャミンが感じ取ったからだ。あまりにも微量で心配ではあったがベンジャミンの能力に賭けた。 アベンジャーズがジェット機に乗って来た時にはほとんどがもう避難していた。足の悪い老人や、障害者。そして浮浪者などをあとは助けるのみである。 『お出ましか』 「……。#名前2#、悪いが普通にしゃべってもらえないか?」 「ああ、すまない。……それで、その男は?」 「ヴィジョン、と」 「ヴィジョンか。#名前2#・#名前1#だ。そっちにいるのはベンジャミン」 自己紹介も適当に、#名前2#は生体反応のある場所に走っていってしまった。 まるでアベンジャーズの仲間ではない、とでも言いたげな行動であった。 「#名前2#?」 「キャプテン」 「おかしいぞ、君。セーフハウスの時から!」 「キャプテンには言っておこう。俺はもうここでヒーローをやめる」 「は?」 スティーブは#名前2#の言葉をよく聞き取れなかった。街が、宙に、浮いていたのだ。 『ベンジャミン、避難しきれてない人たちはお前に任せる』 『#名前2#は?』 『薙刀で戦うしかないだろう』 笑えない話だ、とベンジャミンは笑いながら空中へと落ちていく。これで最後かと思うとどうやら開放的な気分になるらしい。スティーブが聞いたら怒りそうなセリフを叫びながら人をその腕に抱えて下の街へと下ろしていった。 #名前2#は腕を振り下ろした。刃がロボットを突き刺し、絵の部分がロボットの体を叩き壊す。 切っても切っても終わらない戦いだった。体はまだ完治ていない。頭の傷から血が吹き出てロボットなのか、住人なのか、仲間なのかも分からなくなる。 「#名前2#、やめろ! それは味方だ!」 クリントの叫び声で薙刀が先から分かれてピエトロだけを避けるように動き奥のロボットを突き刺した。 「!!?」 「トランスフォーミウムで助かった。すまない、ピエトロ」 #名前2#はそれだけ言って空をかけてきたベンジャミンの手をとった。 自分ほどではないが確かに高速で動く相手を見て、ピエトロの口角は思わずあがった。 教会に下り立つとウルトロンとソーが戦っていた。なぜかソーの手にはムジョルニアが見つからない。不思議に思いながらもウルトロンの背中に薙刀を突き刺した。 「平気か、ソー?」 「いいや、全くだ!」 ソーの一撃とヴィジョンの一撃がウルトロンにぶつかった。ソーの目配せに気づかなければ#名前2#は上に浮き上がろうとは思わなかっただろう。 「すまないな、ソー」 「お互いさまだろう」 ズン、と重い音をたててトニーが着地した。街を下ろす手立てを考えついたらしく、ソーに協力しろと言う。 「俺達はなにを?」 「コアを守れ! ウルトロンや仲間には絶対に触らせるな!」 「なら丁度いいな」 なにが、とは聞けなかった。ベンジャミンがその檻でコアを囲もうとしていたのである。 「ベンジャミン! なにを、」 「1cmだけ空をあける。平気だ、触りはしない」 「そんなことを言ってるんじゃない、こいつは! お前の相棒だ!」 「だからだ。……俺はもうヒーローにはならない。トランスフォーマーを作っても、俺は変われなかった」 『ベンジャミン、今までありがとう』 『ああ、わかってるよ』 ちゃんと、伝わってたよ。お前の気持ち。 首が、落とされた。 そこからの#名前2#の戦いぶりは、彼自身も死にたがりなのではないかと思うほどだった。ロボットを撃ち落とし、首をはね、胸部を突き刺す。 「ここで、死ねたらよかったのに」 #名前2#はかぼそい声でそう言うと力尽きた。 怪我はまた開き、折れた骨は体を刺し、内蔵はもはやぐちやになっていた。 ** 「ヒーローをやめる」 「ああ、らしいな」 「トニーもだと聞いた」 「……バートンみたいに、ペッパーに農場でも作るかな」 「素朴な生活を? 似合わないな」 「お前こそだろう」 トニーはひょいっとチップを投げてよこした。 癖のある文字でBenjaminと書かれている。 「ストラッカーの情報を受け取る時に、一緒に送られてきた……。使うか、使わないかは。#名前2#次第だがな」 ベッドの上で#名前2#は思わず涙をこぼした。 全治2ヵ月の怪我で体をゆらすとかなり傷んだが、そんなこと気にせずに#名前2#はトニーを抱きしめた。 「ありがとう、親友」 「いいや、構わない」 ** NEST returnes in CAPTAIN AMERICA:CIVIL WAR